1.土のこと

 1-1 土を知ろう


 健康な野菜の根っこは土の中で、目いっぱい根を伸ばし、水を吸い、呼吸をしています。つまり野菜の根っこが、土の中でこのような状態になれるようにしてあげられれば良いわけで、そのような「土」が、野菜作りに適した「良い土である」と、言えそうです。根っこにとって「やさしい」土の条件には・・・以下のようなものが挙げられるでしょう。

 

  1. 水はけが良い
  2. 通気性が良い
  3. 保水性が良い
  4. 酸度が適正
  5. 肥料分に富む
  6. 病原菌や害虫がいない

 1-2 土の構造


 土には「粘土」や「砂」のように細かい粒子がひしめき合っている状態の「単粒構造」というものがあります。とても目が詰まった状態ですから、「水はけ」「通気」「保水」が悪いのは感覚的にお分かりいただけると思います。

 実際に・・・畑の土を水で湿らせて握ってみてください。固まらず、すぐに崩れてしまうようなら「砂質」、指でつついても崩れず、跡が残るようなら「粘土質」の傾向が強く、「良い土」とは言えません。改良が必要になります。

 


 握ったときには崩れず、つつくとほぐれるような状態が土質としてはよく、「団粒構造」と呼ばれています。これは「有機物」などが土と一体となって塊を形成した状態で、塊の形状や大きさが「まちまち」であるが故に隙間が形成され、通気性や水はけ、保水性に優れ、肥料分に富んでいます。野菜を作る際の目指すべき土質と言えるでしょう。畑では「堆肥」や「腐葉土」等を土に漉き込んで土壌を改良していきます。

 

 

 1-3 土壌酸度


 ひとむかし前に騒がれた言葉ですが、みなさんも「酸性雨」をご存知かと思います。その名の通り雨は「酸性」です。雨に晒されている「土」も当然、酸性だったりします!ところがお野菜は酸性を嫌うものが少なくありません。というか、ほとんどのお野菜は「酸性」が嫌いです。なので・・・中和・・・という作業が必要になってきます。これに用いるのが「苦土石灰」です。

 

 

 1-4 土壌消毒


 みなさんは、「センチュウ」という虫をご存知でしょうか?体長が1mm程度の小さな虫なのですが、コイツがなかなかの曲者で、農家さんの最も嫌う「敵」だったりします。 

 線虫はとても種類が多く、諸説様々ですが2万種~1億種もいると言われています。土の中に生息しており、特に「植物寄生性センチュウ」は植物の栄養を奪うため、農業に大きな被害を与えます。

 退治には薬剤を用いたりもしますが、もっともスタンダードなのが、太陽熱消毒です。黒マルチで1か月ほど畑を覆うことで地熱を上げ消毒します。その際に石灰などの反応熱を併用したりします。

 

 


 まとめ


 これらの工程を経て、「良い土」を作り出すのですが、ここまで読んで・・・「もう、うんざり!」と思われている方もいるかもしれません。でも見た目(記述量)ほどに複雑なことはしていません。要は「石灰入れて」「マルチかけて」しばらく「放置して」、「堆肥入れて」よく「耕した」だけですから!

 

 

 

2. 区画の作り方