宅地化農地と市民農園

宅地化農地

 平成3年4月の生産緑地法の改正、平成3年度末での長期営農継続農地制度の廃止、平成4年度からの固定資産税等の課税の適正化等の措置により、三大都市圏の特定市における市街化区域内農地については、都市計画において保全する農地と宅地化農地とに区分されました。

 生産緑地(=保全する農地)では固定資産税などが一般農地として課税される一方、生産緑地以外の農地(特定市街化区域農地=宅地化農地)では、固定資産税などが宅地並み課税となり、相続税の納税猶予の特例が適用除外とされました。


 バブル景気では、都市農地は「存在」そのものが「罪」と言わんばかりでした。時代の要請を受けて、税制を軸に、市街地から農地を追いやろうとして、さまざまな施策が打ち出されたのは奇しくもバブルがはじけた後でした。20年も続いた?「失われた10年」の間に、少子化が急速に進行し、今また大きな転換期を迎えようとしています。都市農業振興法が制定され、今後、貴重な宅地化農地を保全する動きも加速していくものと思われます。

 

都市農業と市民農園

 そもそも食料自給に主眼をおいてきた農業政策でしたが、今や農地の評価は他面的となり、どちらかというと「環境」に軸足がシフトしてきているように感じます。特に都市部にある宅地化農地の存在意義は「代替緑地」としての機能であると言っても過言ではないでしょう。何代にもわたる相続を経て、こま切れとなってしまった宅地化農地では生計を立てられるほどの規模で農業を営むのは困難になっています。「農地」を「農地」として活用するなら、市民農園がもっとも適していると言えるでしょう。

 

区画貸し農園

開設条件

《行政承認が必要

  ①1区画1,000㎡以下

  ②相当数の貸付

  ③一般公募

  ④定型的な貸付

  ⑤営利を目的としない栽培

 

入園利用体験農園

開設条件

《行政承認不要

①農業経営は自らが行う

②農作業の一部を行う為に入園

③利用者は入園料を支払う

④利用者は収穫物を購入する

⑤利用契約は1年以内

 

農園施設

設置可能施設

 

水供給施設:水道がおすすめ

道具置場:物置、パイプハウス

その他堆肥置場、仮設トイレ