竹林の撃退方法

 竹はかつて、生活用品の素材や建築資材として幅広く使われましたが、現在ではタケノコを食材とする以外の利用は少なくなっています。 竹を栽培することの経済的メリットが薄れたことで放置竹林が増えています。
  竹の成長力はものすごく、ピーク時には 1日で 1メートル以上も成長し、 地下茎に至っては、1年で8メートルも伸びるといいます。

竹の伐採

 竹の品質を重視する場合、秋から冬に伐採するのが良いとされていますが、単に竹林の全滅を狙う場合、成長で養分を使い果たす時期(初夏から夏)に地上部を切り倒すのが有効です。伐採は通常、50センチ程度の高さで行います。切断面が水平になるように切ること大切です。ただし、伐採だけでは竹根が生き残るため、毎年何らかの管理が必要になってきます。


竹根の除去

 地表の竹を全て取り除いても、竹根が残っていれば、竹は復活します。 竹を完全に退治するためには、竹根を全滅させる必要があります。正攻法としては竹根の掘り起こしをすることが一番ですが、地表から 約30センチ~ 1メートルにある竹根を人力で掘り起こすのは現実的ではありません。小型ユンボなどの重機を利用するのが良いでしょう。なお、竹根の掘り起しが難しい場合は、のこぎりなどで複数個所根切りし、蕎麦などの吸肥力が強い作物を栽培することで竹根を弱らせることができます。


竹林駆除の注意点

 竹を伐採後、竹根を掘り起こし、完全に駆逐できればいいのですが、場所によっては土手が崩れる危険もあり、抜根出来ないことも少なくありません。そのため、薬剤を利用しての駆除も広く行われています。薬剤の使い方には、伐採直後の竹から除草剤を注入したり、連年伐採後に竹草を除草剤で退治する方法などいろいろなスタイルがあります。ただし、隣地にも竹が生えている場合に、薬剤で竹根を枯らしてしまうと、地下茎によって繋がっている隣地の竹も、いっしょに枯れてしまう恐れがあります。 隣地所有者の同意があれば問題ないのですが、そうでない場合は境界で根切りし、板等を埋め込むことで隣地と縁切りします


竹林の連年伐採

 連年伐採とは、毎年繰り返し伐採を実施することで、数年かけて竹を退治する方法です。竹は養分を根に蓄えているため、全てを伐採しても翌年には新しい竹が生えてきます。伐採を繰り返すと、成長に必要な光合成活動を邪魔することになるので、竹は徐々に弱っていきます。数年間の連年伐採後に、竹根を地中から取り除くか、除草剤を竹草に散布して息の根を止めます。法面に竹が生えていて、土手を崩したくない状況では抜根が難しいため、除草剤の使用がお勧めです。

 

除草剤による竹林撃退

 竹に薬剤を注入し、竹の根まで枯らすのは、かなり効果的です。竹に注入する薬剤としては、グリホサート系の除草剤の原液がよく使用されます。また、除草剤の代わりに灯油を注入しても効果があります。
 竹を根元から 30センチ高で伐採し、節を抜いて除草剤を注入します。竹の切り口には雨水が入らないように、ガムテープやビニール袋などでフタをします。伐採せずにドリルなどで竹に穴を開け、除草剤を注入して穴をふさぐ方法もあります。この場合、竹が枯死してから伐採を行います。除草剤の注入による駆除は、成育が一段落し、株に疲れが出る7~ 8月頃が適期です。

 

竹の侵入防止

 竹は通常、地下茎(竹根)によって繁殖域を拡大します。竹根は 1年で約8メートルも伸びるので、竹林や竹薮の拡大を放置すると、隣の土地に侵入することもありえます。隣地への侵入を防ぐには、繁殖域周囲の土を掘り起こし、根を取り除くのが基本です。根切りだけでも勢力拡大を防ぐことは出来ますが、見落としがあれば元も子もありません。完封を目指すなら、隣地境界に防根シートやトタン板を設置するのが良いでしょう。1メートル程度の深さに溝を掘り、防根シートやトタン板を垂直に埋め込みます。

 

竹の処分

伐採した竹の処分方法ですが、土地に余裕があるならば、日当たりの良い場所で乾燥させ処分します。野焼きにうるさくない地域なら、燃やしてしまうのが一番です。野焼きが困難な場合は、竹幹を小口切りして、少しずつ一般ごみとして出すのがいいでしょう。ただし、自治体によってゴミ出しのルールが違うので注意が必要です。資金に余裕があるなら産廃業者に依頼しましょう。

 

竹林伐採 費用の目安

100㎡~299㎡

9,000円/㎡

300㎡~499㎡

7,000円/㎡

500㎡~999㎡

5,000円/㎡
1,000㎡以上 3,000円/㎡

※ 重機進入の可・不可、傾斜地現場、処分の要・不要、竹根の隣地侵入防止措置、切り倒し、根処理、抜根など、条件により費用は変動します。